今日も本屋で、本を買った。

特にどうという事は無い。帰りに駅前で、本屋で5K程本を購入した、それだけの事だ。本当にどうという事は無い。別に何の変哲も無い、いつも通りの日常。


僕はほとんど毎日本屋に行っている。特に理由が有るわけじゃない。何か買いたいわけじゃない。いやもちろんほしい本が出ていたら買うんだけど、でも発売日を調べているわけじゃない。
特に理由も無く、ただ単によれるから、本屋が空いているから本屋に行っている。「今日は行かないでいっかー」と思いながら歩いていたら、いつの間にか駅前の本屋に居る。別の本屋によった帰りに気がついたら駅前の本屋によってしまっている。最寄り駅で駅についてる方の本屋で既に漫画の新刊を購入したのに、別の本屋によってしまったりする。
本当に、全然理由は無いんだ。多分ただ単に、本屋という空間が、好きな、だけ。


思えば、気がついた時から本屋に居た。小学生の時から友人との待ち合わせ場所は本屋だった。もちろん立ち読みで待機だった。お金の無かった中学生高校生の頃は、近くの本屋でライトノベル10冊とかを一日で立ち読みしたりした。
そもそも家族が変だったと思う。家族で年に数回、本屋に行くためだけに栃木の片田舎から東京に出るのだ。目的地は神田の三省堂書店。入り口に着いたら、「じゃぁ、集合は19:00で。」とだけ決めて、あとは好きにする。昼前からである。皆思い思いのフロアで好きに本を立ち読みし、欲しい物を買う。テーブルと椅子が有るので何時間でも居られる。喉が乾いたなら、ビル内の喫茶店に行けば良い。満足したら適当に家族でそこらへんでご飯を食べて帰る。なんとも酷い小旅行である。至福の時間だった。


今では僕も学生の時程はお金には不自由しなくなったので、立ち読みはほとんどしない。出来るだけ本を買っている。それでもやっぱりとにかく本屋という空間が好きなので、なるべく本屋によって購入をする。
おかげで僕はネット通販をほとんど使わない。手に入らない物のみ仕方なく使う程度だ。それはただ単に、本屋が好きというだけの話だ。AmazonBK1で購入したほうが特だし楽なのは自分でもよく分かっている。でもやっぱり本屋に行きたいから本屋に行って、文庫だけで20000円使って「死ぬほど重いよふぁっく!」などとぼやきながらニヤニヤしているのだ。
更に実は出来れば地元の本屋で買う事にしている。もちろん秋葉原に出てオタクな店で買う事もあるし大きな本屋に行って買う事もある。でもやっぱり一番好きなのは最寄り駅近くの適当な本屋だ。品揃えが悪かったり新刊早売りは東京真ん中勢には負けたりする、そんな本屋だ。帰りにふらっと入る。休日にふらっとついでに入る。そんな場所が好き、大好きだ。そんな場所を少しでも残したい、だから出来るだけそこで買う、それだけ。
もちろん分かってる。現実には僕一人がそこで買うか買わないかなんてきっと店舗経営に対しての影響はそれこそプールの中でちびった程度だろう。でもやっぱりそこで買いたいと思うし、そんな自分に満足を覚える。単純な話だ、それが気持ちいいから買うんだ。だから正しく自己満足。娯楽なんてどれでもただの自己満足だ。だったら購入の時も気持ち良いほうが良いだろう。


だから、買う。そういう意味では僕は正しく「購入厨」だろう。本やゲームは極力借りずに購入したいと思ってるし、誰かに何かオススメされたら基本的には全て購入する事にしている。布教用に複数買って「作家に貢献してる♪」と喜んだりもするし、限定版が有れば特典が全然要らなくても喜んで購入版を買うし、限定版と通常版で表紙が違うと同じ本を買ったりもする。そもそも積み本の増加のほうが多いのに買うんだから始末に終えない。漫画は全消費してるけど小説は半分ちょいくらいか。でも本は一期一会だと思ってる。とりあえず買う、買うんだ。手に取れ。表紙買い、イラスト買い、タイトル買い、全部OK。騙されても良いじゃない。自分の感性が一瞬でも欲しいと思ったんだ、しょうがないじゃないか。何も問題はない。
購入厨結構こけっこー。コンテンツに金を払いたいから買ってるんだ。堂々と購入中になろうじゃないか。コンテンツに金払いたくないなら、そりゃネットで落として本読むんでもいーし、別にマジコン使ってゲームでもすれば良い。もちろん公的な意見を求められたら「反対です、許されない事です(キリッ」なんて言うだろうけど、実際にはそーゆー物が有る以上、別にそーゆー方法でコンテンツに触れてる人をそうそう責めるわけにはいかないと思うのだ。実際僕は立ち読みをしていたし、今もしている。現実的に犯罪になるかならないかという話を置いておけば、ダウンロードして読むのも立ち読みで満足するのも同質の行為だろう。だから別に、使いたければ好きにしろ。著作権侵害罪は確かに親告罪さ、正しく「バレなければ罪じゃない。」
僕は使わない。お金を払いたいから。


そう考えると僕はもしかしたらいわゆる「紙好き」なのかもしれない。これからは電子書籍の時代なんて言うが、どうにも実感出来ない。僕も数年後にはiPadか専用クライアントか知らないが持ってぽちぽちしながら本を読んでたりするのかもしれないが、今の時点では全然想像出来ない。
別に画面で文字を読むのが苦手なわけじゃない、むしろ相当得意だと思う。小学生の頃からPC画面を見続けチャットやテキストを読みあさり、Web小説も面白そうなところをどんどん読んでいった事を考えれば僕はむしろ多分、本より画面でテキストを読んでいる。今でも毎日いくつかのテキスト系サイトやまとめニュースサイト、2chまとめを巡回しているし、常駐の2chスレも相当減ったとはいえいくつか有る。某まおゆうも当時VIP小説界で割と流行ってた魔王と○○系のひとつという認識だ。IRCの常駐もこれまた果てしなく減ったがいくつか残っているし、突き詰めればTwitterもテキストといえばテキストだ。そう考えれば別に抵抗感なんて無いと思うので、本流になったらあっさりと慣れてしまってるかもしれない。形の無い物にお金を出すのが嫌かというとそうでもないし。今使ってるWebコンテンツ系に多少の課金がされても払うだろう。そこらへんは全部財産だ。


これから本は電子書籍に変わるのかもしれないし、映画やアニメ、ゲームなんかも全部ダウンロードコンテンツになっているのかもしれない。ただ、僕はきっとそれでもずっと変わらずお金を払い続けるだろう。喜んでお金を出すだろう。どんな形であれ、ひたすらコンテンツを購入し、消費し続けるだろう。それはきっと、ずっと変わらないと思う。




だから、明日も、本屋へ行こう。
何か出てたら、何か欲しい物が有ったら、気になる商品に目がいったら、また買おう。
……自己満足、したいから。