お兄ちゃんとの大切な想い出 紹介

2012/08/22追記
今はこちらに全編のログが有ります。
お兄ちゃんとの大切な想い出


やっと書けた。ついに、やっと、書けた。


「ずっとずっと願っても……自分の全てを懸けて願っても……
 どんなに心の底から願っても……叶わない夢ってあるんだね。
 そんなの、当たり前のことなのにね」

「あきらめる……? そうじゃない。
 この世の誰にも、人の心だけは侵せない、と思う。
 わたしの心を変えられる人は、誰も居ない、それと同じ。
 人の心に、自分の思い通りになってほしい、っていうのは、傲慢だよ。
 それより……。
 自分の好きな人が、幸せになってくれたら、わたしはそれが幸せ」

「お前はなにをお願いするんだ?」


「……なんにも。わたし、神様は信じてないから」


というわけで、紹介するのは、"想い出"。
お兄ちゃんとの大切な想い出だ。この作品は、僕の原点。
言いすぎって思われるかもしれないけど、本当にそうなんだから仕方ない。
素晴らしい、とても素晴らしい、"お兄ちゃん子"さんの物語。


この作品は、そもそも僕がWebで会話する事の楽しさを知ったくらいの時に出会った作品だ。
当時はWebのcgiチャットだったし、メッセンジャーじゃなくてICQだった。
そして当時からWebの楽しさにはどっぷりと嵌っていたけど、
でも、それは人と触れあえる楽しさだった。
それは当然メールや掲示板で何かしたり、また、ICQだとかチャットで会話したりする楽しさだった。
そんな中、偶然に色々巡っていたら発見したのがこれだった。
そして僕に、Webの世界での、僕の知らなかった楽しさを、教えてくれた。
"物語を読む"という楽しさを。
それがこの作品だった。


別にそれ程の興味がおこったわけでも無かった。ただまあ読んでみるかと思った。
で、最初に読んで始まったのは、ただのエロ小説だった。絶望した。

「……よく、わからない。深く知り合ってたわけじゃないし。
 好きだとか、愛してる、というのとは、違うと思う。
 ただなんとなく胸がもやもやして、ちくっとするだけ」
 「でも、1つの言葉にしてしまったら、収まりがよくなって、
 心の奥のほうに沈んでいっちゃう。
 いつかは忘れてしまうかもしれないけど、今は、忘れたくない。
 忘れちゃいけない、と思う」

でも。なんだか分からない、ひきつけるような力があって読み進めた。
別に文章が特別上手いわけでもない。
表現が特別に凄いわけでもない。
登場人物なんか名前じゃない。全員アルファベットだ。固有名詞が全く出てこない。


なのに、何故か読み続けた。
読んでた時には面白いと思ってたわけじゃない。ただ、むさぼる様に、ひたすらに読んだ。途中で休んだりはしなかった。眠いなんて欠片も思わなかった。ただひたすら読む事を続けた。気がついた時には、全部読み終わって、目からは涙が溢れ、全身に鳥肌が立ち、体が震えていた。
当時の僕にははっきりとは分からなかった。人生の中でこんな衝撃を受けた物語は初めてだったからだ。
そしてそれからはもう、連載の続きをただひたすらに待ち続けた。
当時はまだ連載していた。続きが、ぼつぼつとアップされていった。
最終的には一旦連載が止まり、また再開し、そして結局連載は止まった。
掲示板に年越しで書き込んで、2007年にちょっとHPに手を加えた跡があるとか有ったけど、結局は何も分からない。
実際の所僕は別にこの人の素性に興味があるわけじゃない。別にただの創作で構わないのだ。
僕が待ち望むのは、"お兄ちゃん子"さんの無事と、連載の再開だけである。

「……過去と、今と、未来」
「キミも、そのうちわかる。
 いや、わからないほうがいいかもしれない」

さて、この作品はタイトルの通り、"お兄ちゃん"と"お兄ちゃん子"さんの物語だ。
それ以外の登場人物は全て、アルファベット一文字で語られる。
そして確かにメインとなっているのは、"お兄ちゃん"との関わりだ。
だがしかし、これがこの二人の物語かというと、断じて否だ。
これはあくまで、いやむしろ完璧なまでの、"お兄ちゃん子"さん一人の物語だ。
鏡の国のアリス」と「量子力学」を、猫が出てくるから同じに扱うような、ちょっぴり、いや、凄く変わった女の子の物語だ。
大切な存在の"お兄ちゃん"は、しかし、ただの脇役だ。


アルファベット一文字で語られる登場人物達。
だがしかし、彼らには名前は与えられなくとも、命が与えられている。
その存在がアルファベット一文字である事に全く気付かないくらい自然に読んでいけるし、
また、例えばアルファベットネームを言われたら、それが誰だか思い出せるくらいみんな印象的だ。
名前が無い。登場人物は記号。そこには当然キャラ萌えなどという概念は無い。
ひたすらに、残酷なまでに、物語だ。
ただ、物語を突きつけられるのだ。
それは、とても痛い。
ダイレクトに響いてくる物語は、痛くて、切なくて、今にも千切れそうで。
そしてだからこそ、とてつもなく魅力的な物語だ。

「どんなに熱くなっていても、心のどこかに、もうひとり醒めた自分が居る。
 心の底から悲しいとか、嬉しいとかいうことが、よくわからなかった。
 今でも、まだわからない。
 他の人の様子を観察して、うわべだけ心の動きを真似しているみたい。
 自分が、人間のフリをしている、ロボットみたいに思えるの。
 ……だから、知らないうちに人を傷つけても、それがわからないのかな、って」

是非読んで欲しい。確かに完結していない。まだまだこれから、といった所で更新はストップしている。
しかしながら、この作品を私は、薦めないわけにはいかない。
それはライトノベルでいうならE.G.コンバットを薦めるかという事だ。
完結してない事を念押しした上で、薦めざるをえない。面白いからだ。
そして僕はこの作品の続きを、E.G.Fより待ち望んでいる。ただそれだけの事だ。


上に載せた本家ページは連載途中からしか載っていなくて、1〜121は別ページに纏められている。
元々そこへのリンクがあるのだが、時間が経ちすぎた。途切れている。
今最初から読めるのは、このページ、my brotherだ。


何しろスタートは2chのエロスレから始まったのだ。最初はただのエロ話だ。
けれどもどうか、僕と一緒に続きを待ちわびるようになって欲しいと思うのだ。
勿論人によって合う合わないはあるだろうし、ダメだと思われる可能性もある。
でもただ一つ言えるのは、この"物語"は、僕の人生の中でも、とてつもなく素晴らしくて、悲しくて、面白くて、何度も読み返した、"傑作"だ、という事だ。
この作品に出会えたから、僕はWebで文を探し、読む事を始めた。
僕にとっての、今に繋がる第一歩だった。
それはロクでもないダメ人間としての生き方かもしれないが、僕は欠片も後悔していない。
それからも僕はWebから素晴らしい物語をいくつも貰っているからだ。
そしてこの作品は、その第一歩にして、最高傑作。僕の、原点。

わたしの世界に残されている宝物は、
お兄ちゃんの優しい眼差しと、Uの遠慮のない快活さ、Vの無邪気な笑顔、
この三つだけでした。


どうか、こぢんまりとした、ささやかな幸福を奪わないでください、
という祈りを捧げるべき神様は、わたしには居ませんでした。
せめて、この秋の日々が長く続きますように、と願いました。

その日からわたしは、魂の無い人形になりました。


どうかこの空の下、"お兄ちゃん子"さんが、生きている事を。
どこかの世界で、笑顔を湛え、幸せに生活している事を。
そして、もし、可能ならば、いつの日か、この"物語"の、続きが読める日が来る事を。
…祈っています。

はじめまして。
今日、このスレッドの存在を知りました。
今まで、誰にも言えずに心の中にしまってあったことを、
ここでなら吐き出してしまえると思って書き込みます。
スレッドの趣旨に合わないかもしれませんが、
自分の中で決着を付けたいだけですので、
お叱りを受けても仕方がないと思います。


何から書いたら良いのか分かりませんので、
小さい頃の事から順番に書きます。