魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS 感想


まず、はっきりと言っておきます。
魔法少女リリカルなのは」という作品に触れた事がある人は、みんな買え。いいから買え。とにかく買え。
なのはシリーズはスピンオフのコミカライズや本編としての(?)コミカライズ等色々有るけど、コミカライズの中ではいまんとこ一番面白い。
内容としてはTHE MOVIE 1stのアナザーストーリーで、それほど目新しい新設定が!とかでも無いし設定上多分正史でも無いんだけど、とにかく面白い。
THE MOVIE 1stしか見てない人はもちろん、アニメ一期しか見てない人も余裕で楽しめます。あ、もちろん全部見てるなのはオタにもオススメです、そんな人はきっともう買ってるだろうけど!
こんなタイトルですが、映画と同じ内容の部分は1巻の20ページ分くらいです。驚愕の速さ。そんなわけで、一期さえ見てない人にはちょっとオススメ出来ません。当たり前か。


上でも書いたけどそんなに新しいわけじゃないんですよ。内容としては一期後半のストーリーの順序を変えて「海の上の決戦」を焼き直しただけ。別にね、凄い展開が新しいわけでも無いんですよ。一期の要素に設定を少し追加して、あとリニス分を足したりとかしただけ。
でもですね、とてつもなく面白いんです。ほんっとーに面白いんですよ。
別に絵が特別美味いわけじゃないし、絵の効果が凄いわけでもない。でも漫画ならではの、絵とセリフ、そして地の文の演出が凄い。この表現はちょっと他の媒体では出来ないと思う。
特に1巻の終わり部分「この時わずか9歳の魔道師2人」「魔力と航空戦技のすべてを尽くす戦いはいまだ開始から3分に満たず」「残り試合時間 27分15秒」は本当にヤバい。もちろんここまでの積み重ねが有ってこそなんだけど、こんな簡単な説明文なのに全身が震える。戦闘の迫力……というより緻密さというか。迫力だけで押し切るなんて事は無くしっかり展開が繋がってて。本当に面白い。何回涙が出てきたか数えられない。読み返してもすぐ泣いちゃう。


話のスポットがなのはメインなのも良いですね。アニメ・映画では割とフェイト側メインになっていたけれど、このコミックでは一期の話の事前事後も含めてなのはの葛藤、想いが綴られていて素晴らしい。
なのはの強さはもちろん、「弱さ」がしっかりと語られていて、それがとても上手く描かれていて素晴らしい。ともすればただの元気っ娘っぽく写ってしまいがちななのはだけど、これを読めば全然そんな事無くて、むしろとても弱くて、ギリギリの線で色々な人に救われて元気でいられているのがよく分かる。でも、だからこそなのはは「強い」、そう思える素晴らしい描写でした。


きっちり描かれているリニスの手紙も良いですね。映画版でずいぶん補完されていたプレシアとその周りの人達のお話ですが、よりきっちりと描いてくれました。
リニスとフェイト、そしてアルフの関係だけでなく、プレシアとフェイトの間でのリニスの葛藤、そして決断。それはどうしようもない絶望の中での、仕方ない選択。
辛くて、でもとても綺麗で。リニスの話は続きがないけど、リニスという存在は今のフェイトの中で生きている、そんな素晴らしいお話。


総合してとにかく読め、何でも良いから読め、なのは知ってる人は読め、としか言いようがない素晴らしい作品。いいから読め!


そうそう、限定版に付いてきたおまけ冊子も凄い良かった。なのはvsシグナムとかヤバい。お祭り。いや本当にお祭りなんだけれども。
あー映画また見よう!あとA's映画早く上映してお願い今すぐにいや今すぐは無理にでも今年中にお願いしますお願いします!!!11